キングプロテア
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南アフリカのケープ地方原産のお花で、南アフリカ共和国の国花だそう。アフリカのお花を、ロンドンスタイルのアレンジメントにしてみました。
ロンドンに行ったことのある方ならおわかりかと思うのですが、ロンドンって、世界中からたくさんの人、物の集まったコスモポリタン。
もちろん、昔ながらの、重厚でフォーマル、上質さと作法を重んじた英国スタイルは残りつつも、一方で、現在は、クオリティのよさをキープしながら、デザインはよりカジュアルでシンプルに、そして、一番特徴的なのは、世界中のいろんなものからの影響を大きく受けているということだと思います。
もちろんお花も、流通環境のよい現在では、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、アジア、世界中のお花が手に入ります。
そんなお花たちを、ロンドンのデザイナーたちは、あまり、これはどこの国の花だとか、過剰に意識せず、とっても器用に自分たち流にアレンジしています。
まず、特筆すべきは、その色使い。
濃い紫やフューシャピンク、ライムグリーン、はっとするような、鮮やかな色使いがその特徴です。
これはわたしの所感なのですが、夏でも日照時間が短く、薄暗い時間が長いロンドンでは、日本では、多少鮮やか過ぎる色彩が、彼らの眼にちょうど良く映るんじゃないかと思っています。
以前、ロンドンの二階建てバス(ダブルデッカー、真っ赤に塗装されてるバスです)を日本で見かけたとき、なんだか、町並みから浮いてるな~って思ったことがありました。
それから、選ぶお花にも色以外の特徴があると思います。
「強い」印象のお花を好むということです。強い印象のお花は、具体的に、この花の、こういうところっていうのを言葉にするのは難しいんですけれども、「存在感がある花」とでもいうのでしょうか、この写真のキングプロテアもそのひとつかなと思います。
あと、バラならば、誇らしげに大きく咲く大輪のもの、ガーベラは、日本で一番見る、直径6センチくらいのものは、ロンドンでは見かけないです。日本で大輪とされる、12センチくらいのものが普通です。
そして、そんな、存在感のある花たちには、あれこれお花を混ぜ込むのではなく、シンプルに、これも、花に負けない存在感の葉物を合わせます。
以前、イギリスの航空会社でキャビンクルーとして働いていたときのこと。
日本路線のフライトで、クルーは全部で16人でしたが、日本人が5人いて、そのほかのクルーはまさに、世界中から集まっていました。
そして、その彼らの強いこと!!
自分の意見をなかなか曲げず、非を認めないんですもの。
ちょっとでも気を抜こうものなら、ずるずるとかれらのペースに・・・
こんにゃろめーーっと思ったことは数知れず。
だけど、いろんな人種のなかにいると、若いとか、年長だとか、男だとか女だとか、どこの国の人かとか、そういうことをいい意味で意識しないでいられるんですよね。
「常識」がない分、自由に物事を考えられるんです。そんな人たちの中にいたからこそ、その後も制約にとらわれない選択をしてきてこれているのかなと、感じることは多くて、そんなところに、ロンドンで触れたお花がダブって見えてきたことも、今の生活に続く理由だったのかなと感じています。
シンプルに言えば、あれをしちゃだめよ、これはこうあるべきよっていう決まりの一切ないメンタリティーが好きで、花を通して、そういう考え方にずっと触れていたいと思っているわたしがいると感じています。
自分らしくあるための強さをこれからも、花に与えてもらいたいと、思っています。
長くなってしまいました。
この手の話、ついつい。読んで下さって、ありがとうございます。
satomi
mayfair flowers